ハーブの活用
まず、必ず、ハーブの利用上の注意を読んでください。
ハーブの有効成分である植物成分は、多くの場合、人間は代謝する機構を持っていない化合物であることが多い。こうした化合物は、多くの場合そのままあるいは、一部が酸化、分解されるなどして排泄される。こうして、体内に滞留する間に、さまざまな効果を発揮する。
大きくわけて、化合物が生体をある種保護するように働いたり、有害なものを遠ざけるように働き、生体の本来持つ防御、再生機能を引き出す場合と、生理活性を有する化合物による効果とがあると考えられる。生理活性物質は非常に微量で効能を発揮するのに対して、前者は緩やかな効果である。これを理解して、上手に使い分けると、とても快い効果を得ることができると思う。これが、植物の力なのではないかと思う。以下にこの2つの事例を挙げる。
ラベンダーには抗菌、消毒、細胞再生、抗炎、降圧、鎮痛、鎮痙、鎮静、PMS、抗鬱、バランスを整える効果がある。ほとんど万能に近い。ラベンダーの精油は数少ない、直接肌に触れても問題がないものの一つで、軽いやけどの場合などでは、ラベンダーの精油をつけるのは効果があるとされる。主成分は、リナロール、酢酸リナリル、ラバンジュロールだが、ラベンダーの香りは概ねこの成分によるが、実際にはこれ以外の成分もかかわって全体として生み出されている。これらのモノテルペン類は、明確な生理活性というわけではなく、緩やかな効果だ。その物質自身が効果を発揮するということではなく、生体がもともと持っている機能を活性化するということで、実際にはその効能を発揮するということもあると思われる。モノテルペンアルコール類である、リナロールには、鎮静、血圧降下、抗不安作用、ラバンジュロールには、抗菌作用、抗ウィルス作用、抗真菌作用があるとされている。
セント・ジョーンズ・ワートというハーブがあり、ハーブティとして利用したり、抽出物をサプリメントとして利用することがあるが、抗うつ効果があるとして知られている。これには、神経の伝達物質のセロトニンが分解あるいは、再吸収されることを阻害する化合物を含んでいることが知られている。こちらは生理活性物質を含む場合である。これは微量で効果を発揮する例である。神経細胞であるシナプスから、隣のシナプスに情報を伝達するには、セロトニンがその役割を果たしている。シナプスから分泌されたセロトニンは隣のシナプスに届き、情報伝達を行うのだが、分泌されたセロトニンは再吸収されて、再利用される。セロトニンがシナプス間に一定濃度ないと伝達が的確には行われず、それがうつの原因の一つだといわれている。再吸収を阻害すると相対的にセロトニン濃度をあげることができるために、うつを解消することができると考えられている。
ただし、生理活性物質は非常に微量で効果があるので、十分に解明されていないものも多い。また、複数の化合物の相乗効果によって効果が発揮されることもある。伝統的、伝承的なハーブの活用は単純には説明できないことも多い。
しかしながら、現在、我々の周りには、合成化学物質があふれている。原料となるハーブの栽培環境においても例外ではない。農薬、化成肥料、あるいは流通過程における包装資材など、避けてはいても、なかなか完全に取り除くことができない撹乱物質があふれている。
とても難しい問題ではある。ささやかな抵抗として、自家栽培でハーブを作っている。
最終更新日: $Date: 2008-12-07 23:47:01+09 $






