株式会社シグマによる Foveon 買収
2008年11月11日、株式会社シグマが、米国の Foveon, Inc. を買収するという発表があった。買収額、Foveon 社の経営状態がわからないので、経営面のインパクトの詳細はわからないが、事実上 Foveon X3 というイメージセンサーを採用しているカメラが、株式会社シグマ製のものに限られている事実を考えると、やむなしであるだろうが、大英断だと思う。
確かに実際に、作例を見ると、解像感、立体感に特別なものがある。他の、ほとんどのデジタルカメラがベイヤー配列(コダックの特許)の単版センサーを使用しているのに対して、三層のFoveon X3は、異質の存在であり、同じ1点で RGB の三色を測定するというのは原理的にもはっきりわかりやすい。
高画素化競争が大きな流れである中では、ベイヤー配列のセンサーは製造の点ですぐれているだろう。DP1の Foveon センサーは、1406万画素といっても、2652x1768x3であり、K20Dの1460万画素は、4672x3104 である。かつ設計の自由度もあり、マイクロレンズやローパスフィルタなど新しいセンサーでは工夫が増えている。しかし、各点で光をとらえていても、色は R, G, B のどれかであり、測定していない色に関しては周辺の測定点から数値的に補完するという技法は、一見理論的で正しそうに見えるが、非常に細かい画像に関しては実際には正しい色を反映してはいないことになる。ここで、偽色といわれる現象が発生すると言われている。
たしかに、被写体によって、再現の難しい色はある。花を撮っているとどうしても「こんな色だったかなあ」という色調の結果に首をかしげることがある。人間の記憶は曖昧だし、光の加減によっても変わるのでなんともいえないが、そのためたまにリバーサルフィルムで撮影してみたりする。
これは、Adobe Camera Raw 4.6 で DP1 が扱えるようになったので、同じ花(わずかにアングルが違うが)を Adobe の自動補正で現像したものである。K20D で撮影したほうが、ずいぶん黄色味がかっている。G が、R, B の2倍あるベイヤー配列のせいだけかはわからない。一番右は、参考として、Silkypix で Provia 調で現像処理してみた。レタッチで DP1 の色調に近づけようとしてみたが、どうもうまくいかなかった。
DP1で撮った写真の立体感と、色調は、なんともいえないものがある。間違いなく一つのリファレンスだと思う。Foveon センサーという他にない特異な技術に賭ける株式会社シグマの姿勢を称賛したいと思う。
最終更新日: $Date: 2008-11-19 17:13:17+09 $






