グラフィCMSとEden
グラフィCMSの開発を私が急に思いついたわけではない。以前からオムニサイソフトウエアで、ネットワーク管理・監視ソフトウエアの Eden を開発してきたが、このコンセプトは、簡単に言えば、ネットワーク管理情報をサーバで集めて、Web インターフェースでビジュアライズして、Web でインターネットのどこからでも参照することができるというシステムである。
なぜ、そうなっているかというと、メディアエクスチェンジを当時創業したところだったが、少人数のエキスパートでネットワークを運用するために、会社にいるときだけでなく、自宅からでも出先からでもネットワークの状況を知ることができるツールが必要だったわけで、当時一般的だったOpenView などのソフトのように、その端末(ワークステーション)からだけしか、操作できないものでは、まったく間に合わなかったからである。
もちろん、さまざまなフリーのソフトウエアを組み合わせて使っていたが、それでは統合的な管理ができないし、どうせないものは作らないといけない。SNMP だけでとれる情報だけでは不十分なので、さまざまな手法で情報を集めて、それをどこからでも見られるものにして、トラブルシューティングをできるようにしないといけないからだ。さらに 対象となるネットワークには、一般のインターネットからアクセスすることはできない場合もあり、 Web インターフェースを用いてサーバが proxy として機能して、該当ネットワークにアクションを起こす機能も必要だった。
Eden の原型となるアイディアは実はその前からあったのだが、それはここまでのコンセプトのものではなく、特定のネットワークシステム用として製作したもので、単に GUI を Web インターフェースにしたほうが簡単だということで作ったものだった。
こうして、Eden は発展を続け、メディアエクスチェンジのネットワークだけでなく、施設全般を管理運用できるツールになっている。
さて、これがどう CMS とつながるかということだが、おりしも Google に代表される検索サービスによって、インターネットに分散する知識を活用する手段は確立されたかのように思われている。しかし、検索だけですべてが解決するわけでなく、自分が日々集めた知識、情報ををきちんと格納して、どこからでも参照できるシステムが必要であることは疑いない。
私も、JUNET、NIFTY-Serve の時代からネットワークにかかわりあい、もう約20年になろうとしている。初期からのメールも事故で失ったものも若干あるとはいえすべて保存している。自分が雑誌や書籍に書いた原稿ももちろんある。これらをサーバに保存している。サーバといっても単に UNIX のファイルシステム上にあるだけだ。最近は RAID のサーバになったので、かなり安全性は向上したが、順々に新しいサーバにコピーをしながら今に至っている。
さて、ここから先は、Eden で実現していることとまったく同じである。
もちろん、自分の集めてきたこうしたものを、もちろん何らかの形でインターネットからアクセスできるように保存していて、どこからでもアクセスできるが、整理、ビジュアライズする機能はない。
整理するという点では、html を含むマークアップランゲージを利用して、コメントと、関係性を記述することで可能になる。CMS では、Wiki の機能を採用してデータベースの助けを借りるようになっている。
インターネットの利点に情報共有があげられるが、昔は多くの場合メーリングリストで行ってきた。あるいはネットニュースだ。前者がグループで、後者がパブリック。多くの場合、情報共有はこの2つを使い分けながら進められる。これを実現するツールが必要とされたわけだ。
あとは、作りながら改良する作業を繰り返す。フリーのものを使ったのでは限界があるので、意を決して、完全にスクラッチから作る。GUI や、ツールとして呼び出されるものは、さまざまなフリーのものを利用する。だいたい、OS 自身もフリーである。
やりながら、ちょっとまとまったプロジェクトにかかわるごとに、まとまったカスタマイズをする。これは大きなステップアップになる。
というわけで、ここまで来ているわけだが、概ね私が機能にかかわる仕様をまとめて、藤原君をはじめとするチームがインプリメンテーションに取り組むという進め方で行っている。
もう一つ、システムとしての信頼性と高可用性の確保の問題だ。これははっきりいってそれなりに金がかかる。しかし、大切な情報を失わないようにすることとと、知的活動はそれを思いついたときにできないと役に立たないということを考えると、この両者は必要である。まあ、この点に関してはおそらく、最高のシステムを最低限度の価格で実現していると思う。これは全部フリーのもので構築するということにこだわっていない。しかるべきプロダクトを買ってきて実現している。当然 Eden が大きな役割を果たしている。
Eden で行ってきたものと、グラフィCMS とは無関係ではなく、前者はネットワーク管理情報を扱っているのに対し、後者は人間の知的情報を扱っているものである。今後は、両システムは融合している方向性での開発も行っていくことになるだろう。
最終更新日: $Date: 2008-10-15 12:16:00+09 $






