コンピュータネットワークとは
コンピュータネットワークというものは、ネットワークだけではありません。この場合のネットワークとは、通信回線と中継装置から構成されるものを指します。
デジタルネットワークにおいては、中継装置上のメモリにおいて、書込みと読み出し、すなわちコピーが行われますので、複製が可能です。しかし、これはアナログネットワークにおける電気的増幅の変わりをするものであって、応用事例としてのコンピュータネットワークにおいて行われる蓄積交換とは異なります。
ネットワークの古典的なアプリケーションは電話です。もっぱら同時に通話できることが最大の特徴です。一般的にネットワークの概念は同時性(リアルタイム性)を追求するものです。放送ネットワークにおいても、生中継を実現することが非常に大きなミッションです。
さて、われわれが提供しているのは、これではなく、コンピュータネットワークシステムです。通信回線を経由してコンピュータ同士を接続したことによって生まれるシステムであって、「ネットワーク」ではないのです。
電子メールは、コンピュータネットワークのもっとも古いアプリケーションですが、メールはコンピュータ上に記録(記憶)されており、それを非同期的に読み出すことでコミュニケーションを実現しています。同時性を追求するものではないのです。
そのため、コンピュータネットワークはネットワークの持つ空間超越性のほかに、非同期的時間超越性を持っています。すなわち、記録して保存しておくことで過去にアクセスすることができるわけです。これが時間的超越性です。ネットワークが時間を超えるという言い方をすることがありますが、これは遠方にいる相手が移動することなくコミュニケーションをはかることができるという移動時間の省略であって、過去の自身にアクセスするということとは本質的に異なります。
そして、記録は記憶へとつながり知識に発展します。
同時ではないことは、デメリットでしょうか?現在の我々は同時であることを強要されすぎていると考えるべきです。ネットワークの速度が遅い時代、極端にいえば電気通信がなかった時代を考えてみてください。通信手段は書状の配送、あるいは伝言がもっとも早いもので、その手段の中には、編集と想像が含まれています。時間的な制約を意識してコミュニケーションをすることで、時間を有効に使う行動、思考をします。そしてそこから創造につながることがあります。
非同期的コミュニケーションのメリットは、発信者、受信者側、あるいは中継者がそれぞれ情報に編集を加えるということです。現在のコンピュータネットワークにおいては、それが改ざんにつながるということを避ける技術が存在していますから、恣意的な情報操作を意味するものではありません。
過去の情報を積み重ねていく過程で必ず編集が起こります。編集とは、簡単に言えば、情報にメリハリをつけることです。もちろん編集者の意図がそこにあらわれることもありますが、それだけではないでしょう。
ただ情報が集まっていることだけでも無価値であるとはいえませんが、では検索はそこに十分な解決を与えるのでしょうか?検索で、求めるものを発見することは、実は非常に知的な作業です。逆に言えば、そのコンテンツで訴求するものがはっきりしていなければ、見出されることもありませんし、知識に到達することはできません。
コンピュータネットワーク技術が知の創造につながるのは、この時間の経過とともに編集作業を加えながら蓄積していくことに他ならないでしょう。難しいことではありません。これが二者のやりとりであっても実際に起こることを経験している人は少なくないと思います。
最終更新日: $Date: 2008-12-08 09:28:32+09 $






