ロードショー
上場審査の上、承認を受けると、上場日までの間に、機関投資家に説明をして回って、引き受け需要を喚起するということを行う。これを通常、Road Show (ロードショー)と呼ぶ。ロードショーというと一般には映画の封切り上映のことを指すが、イメージ的には同じようなものだろう。
証券会社の人に付き添われて、車で1日に数か所を回るのを、5日間くらい行う。これは、幹事証券会社がどれくらいアレンジできるかにかかっているらしいが、MEXの場合、4から5か所、多いときに6か所というのがあったかもしれない。それを5日間連続して行ったと思う。
これが大変かどうかは、それぞれの人によって感想は異なるだろう。まあ、出だしはさすがにうまくいかない感じもあったが、慣れてくればまずは同じ話をすればいいだけだし、少しずつフィードバックをかけて改善していけばいい。
私は、財務的な用語に明るいわけではないので、こちらはこちらの考えを話すことに徹した。そのため、煙に巻かれたという感想を持った人もあったろう。しかし、慣れない用語を使って話したところで、自分の言葉にはならないし、それこそ原稿を丸暗記したような感じになってしまったろう。
MEXで気をつけてきたことは、設備投資をいつ、なにを、どのくらい行うかというさじ加減だ。新しい技術が登場すればいち早く導入してサービスを提供したいという気持ちは起こって当然だ。しかし、実際には普及するまでには一定の時間が必要なので、それを導入したことを広告宣伝のネタとして使うのならともかく、研究、実験以外についてはぎりぎりまで待って行うことが必要だろう。
逆に、普及しているように見える技術でも、ライフタイムが必ずしも長いとは限らず、すぐに無くなってしまうものもある。かつて、ISPがダイアルアップサービスを提供している場合では、モデムの高速化と規格の変化が著しく、へたなものに飛びついて、大量の設備投資をするとひどい目にあうということがあった。当時は電話料金が高額であったので、なんとかしてそれを減らしたいというユーザにとっては切実なことだったので、高速モデムを採用するISPに客が一気に流れるというのは、やむを得ないことだった。
また、前にも書いたように、小型の安価な装置を並列に使用することによって、大型の高価な装置を使用して実現するより、合理的に行うことができれば、投資を段階的にタイムリーに行うことができる。
これを実現するためにMEXでは技術開発に取り組んでいるという説明をしたら、それは ROI を最大化するということですね、と言ってくれた方がいた。ROI とは投資収益率のことであるが、言われてみれば当たり前のことなのだが、それが難しいということも事実であって、それで潰れていった事業も多い。
こうしたロードショーを終わった後、大会場で最後の投資家向け説明会に臨むことになる。これからロードショーをするという会社の社長さんが見学に来ていて、驚いていかれたようだったが、さすがに、30回も講演の練習をしたということは、後にも先にもこれが唯一だろうと思う。
最終更新日: $Date: 2008-10-16 18:09:51+09 $






