Y!掲示板とIR

Y!掲示板を毎日見るのも、IR担当者の仕事である。

もっとも MEXの場合、人数が少ないので、専属の IR担当者というわけではなく、一般の広報などと兼ねている。決算発表のときなどは、財務担当者が直接対応することもある。

財務諸表の内容に関するような質問だと、財務担当者が対応すればそれなりの対応ができるが、抽象的な質問になればなるほど、担当者はマニュアル通りの対応をせざるを得なくなる。やはり、インサイダー情報の漏えいや、風説の流布に該当してしまうような材料と取られかねない話を不用意にしてはいけないというプレッシャーが強く働くため、管理部門で内容をコントロールしている。わたしも、退任後1年間は内部者に該当するので、それなりの行動をする必要があった。言いたいことはMEXの関係者にはそれなりに伝えたのだが、残念ながら生かしてはもらえなかったようだ。

MEXの場合、サービスが事業者向けであり、消費者向けのサービスをしているわけではないので、サービス自体わかりにくい上に、情報公開といってもどうしてもわかりにくくなってしまう。というのは、顧客の利用状況については通信事業という特殊性も加わって秘密として守らなければならないことなので、具体性にかけてしまう。上場後は、規定上大口顧客との取引について公開せざるを得なくなったのだが、それでもできるだけ伏せなければならない。

私は、在任中はあまり掲示板は見なかったのだが、業績が芳しくないときついことが書かれるのはしょうがないことだろう。ライブドア事件のころはそれどころではなかったが、さぞかし紛糾しただろう。

代表者が不用意な発言を不用意な場所でするとたいへんなことになるので、上場後は取材に対する対応もずいぶん証券会社の人などに指導を受けた。それでもライブドア事件以後は、毎日さまざまな形で取材を受けたので、ついつい話しすぎてしまったことが記事になったりして、苦慮したこともあった。

私の場合、創立以来毎年行ってきたユーザミーティング (MEXUM) では、かなり自由に直接話をする機会を作ってきたつもりである。技術的な方向性などはしっかり説明してきたつもりだが、具体的な数字の話は未公表のものは話してはいけないことなので、それを期待する方々には不満なものだったろうと思う。

株主総会での質疑応答についても同様で、未公表の事実は話してはいけないので、裏方が用意している回答をベースにして話さなければならず、聞いている株主の皆様には、不満なものになってしまったろう。

ただ、掲示板に書かれていることは、会社は承知しているし、意識もしている。IR担当者から都度返ってくる答えは残念ながらつまらないものしか帰ってこないだろう。証券会社からの指導も、できるだけ簡素に余計なことを書かない、いわないようにというものなので、ともかくつまらなくなる。

結局は、製品(サービス)と結果で示すしかないわけではある。

ただ、窓口担当者の不誠実とも思える対応の後ろには、経営者の無策が隠れていることは確かであるので、いつまでもそんな対応しかできない状況を続ければ、社員はかわいそうなだけだ。

最終更新日: $Date: 2008-11-13 23:42:14+09 $

Copyright (c) 2008-2010 by Shin Yoshimura. All rights reserved.